VERY MOMENT
OSAKA 2019

CHASURU HOTEL

Nipponbashi-Osaka

●コンセプト

CHASURUというブランド名は、日常的に使われる日本語が基になっています。

「お茶する(OCHASURU)」

この言葉には、文字通り“お茶を飲む”という意味だけではなく、
“ひと休みする”という意味や、茶道における”人を招き、抹茶をたててもてなす”といったような意味も含まれています。

日本の茶道で最も大事にされている精神が「一期一会」。
このことばは、江戸時代末期に井伊直弼の著書『茶湯一会集』で生まれました。

『抑(そもそも)茶湯の交會(こうかい)は一期一會といひて、たとへば、幾度おなじ主客交會するとも、今日の會ににふたゝびかへらざる事を思へば、実に我(わが)一世一度の會(え)なり。さるにより、主人は萬事に心を配り、聊(いささか)も麁末(そまつ)なきやう、深切(しんせつ)實意(じつい)を盡(つく)し、客にも此會に又逢ひがたき事を辨(わきま)へ、亭主の趣向何一つもおろかならぬを感心し、實意を以て交るべきなり。是を一期一會といふ。』(出展:『茶湯一会集』著 井伊直弼)

つまり、客人ひとりひとりと一緒に過ごした時間を大切にするという、来客者に誠意を尽くす心構え。
その一瞬を大切に思い、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人に接するという意味です。
この考え方は、まさに仏教における無常観を体現しています。

いまこの時間、この一瞬、そして目の前にいる相手、つまりはお客様を大切にする。
これがCHASURUのブランドコンセプトの核です。
私達はこのCHASURUで、日本の茶道における「一期一会」の考え方を基にした、お客様に対する情熱と日本のおもてなしを追求し続けます。

また、「お茶」には「茶道」の考え方以外に、「茶室」という空間そのものが日本の建築においてとても特異な位置を占めています。それは、茶の湯を完成させた千利休がそれまでの日本の建築空間を革新してつくりあげた空間であり、それとともに日本の建築は発展していったことによります。一般的に日本建築における茶室の面積は大ないのにもかかわらず、茶室をつくる費用は安くありません。なぜなら、茶室に使用する資材は高く、工事も複雑、更にひとつひとつの茶室ごとにそれぞれの意味をもたせて設計する為費用が膨らんでしまうからです。それでもなお、日本の建築にとって「茶室」は普遍的な価値を持ち続けるのです。

茶室のデザインはシンプルとアシンメトリーの美しさから生まれています。日本人の感性は「無常観」「汎神的世界観」などの影響が強く、整理され尽くした空間や、物や装飾で溢れた空間では、心に余裕や動きが生まれないという伝統的な考えが、「茶室」を始めとする様々な日本の建築に現れています。

CHASURUも同じように日本の「茶道」や「茶室」の考え方を背景として、日本の伝統的な茶室の持つ、コンパクトかつ、エレガントで自然を感じられるデザインの特徴を参考にしています。客室は小さくシンプルながらも機能性が高く、合理的なデザインに設計された特別な空間になっています。更に、宿泊スペース以外にも、お茶をコンセプトにしたイートインラウンジを備え、ここでは外国人旅行者や、地元の人々が一緒に、気軽にお茶を飲んでひと休みすることが可能です。

現代の忙しい毎日から離れ、ゆっくりとした時間を。デザインされつくした空間と、伝統的なお茶の香りでリラックスしながら過ごし、CHASURUで生まれる新しい出会いを大切にしてもらうことが私達の願いです。

●事業スキーム
土地取得から設計、施工、ホテル運営まで自社ホテルブランドの新規企画・開発事業

●プロジェクト概要
場所:大阪市浪速区東日本橋1
着工予定:2018.06 完成予定:2019.05
用途:ホテル 客室数:28室(14㎡25室、25㎡3室)
敷地面積:156㎡
用途地域:商業地域
容積率:400%
事業者:蒼樹株式会社
設計監理者:ディグ建築工房
デザイン監修:高濱健嗣建築設計事務所

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